SBDDのための蛋白質3次元模型作製装置

A Protein 3D Model Maker for SBDD


石坂 勲 * ,  運営委員 松崎 尹雄
Isao ISHIZAKA * , Takao MATSUZAKI

オートファクト梶@, 分子設計アドバイザー
Autofact Inc.  , Molecular Design Adviser

[ 要旨 ]
 三次元構造にもとづくドラッグ・デザイン(SBDD:Structure Based Drug Design)において、X線解析座標から作製されるタンパク質分子模型はリガンドの分子設計、分子構造最適化に重要な役割を果たす。ゲノム創薬と言われる時代になり、酵素をリガンド設計の標的とするだけでなく、タンパク質−タンパク質相互作用が標的として選択される場合が増加している。リガンドの標的部位が活性部位となることが大部分である酵素と異なり、タンパク質−タンパク質相互作用においてはリガンドの標的部位を特定することが重要となる。タンパク質分子模型はリガンドの結合部位の特定に、今まで以上に重要な役割を果たす。
 分子模型製作において、模型のゆがみ、製作の手間と時間、模型の取り扱い難さが障害であった。今回開発した光造形法による分子模型作製方法はこれら問題を解決している。可視光照射によりアクリル系樹脂を0.1mmの厚さに固化させ、積み重ねることにより、ソリッドで丈夫な分子模型を作製できる。現状装置のサイズ制限から模型サイズは76*102*200mmであり、縮尺は1Å=2mmとすることが多い。0.1mmの工作精度は0.05Åに対応し、実用に耐える正確な分子模型を作製することができる。分子量3万のタンパク質を2時間で作製可能である。

* rxi04254@nifty.com

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