構造生物 Vol.1 No.1 1995年9月発行

挨拶 

TARAプロジェクトの発足と産・官・学共同研究

古賀 達蔵(筑波大学研究担当副学長)


 ただいまご紹介戴きました、研究担当副学長の古賀と申します。先程の写真のフラッシュで、用意してきた挨拶をすっかり忘れてしまいましたが、それでなくても、その前に江崎先生は今日はご挨拶は無い予定だったのですが、あの先生は時々飛び入りをやって色々なお話をされますので、多分私が用意してきた挨拶は全部されたのではないかと思います。

 坂部先生が代表されるプロジェクトが採択になりましていよいよ発足ということで、この様な盛大な第1回の総会が開かれたことを心よりお喜び申し上げます。TARAというのはご存じのように昨年の5月にやっと出来上がりました。それまで、南日教授が当時は研究担当副学長でありまして、現在のセンター長の村上教授とかなり精力的に概算要求を通す準備をされました。そして出来上がったところを私が引き受けたわけで、私は立ち上がりを助けようということでございました。TARAのモットーとするところは産・官・学の共同研究ですが、これがただ単なる調い文旬ですと、これはもうはやり言葉のように何処でも言っておりますが、調い文句ではなくて、ルールを書き込んで人の交流も必ず半分以上くらいは学外からの参加を戴く、それから研究費についてもかなりの部分を外部資金で賄うということをある意味ではルールとしてしっかりとやって行こうということでございます。ですから色々な事で、国立の機関としては初めてのことがあるものですから、立ち上げに致しましてもかなり苦労をしております。ただ学長を始め関係者一同が熱意に燃えておりますので、かなり頑張れるのではないかと思います。ただ、大学の中にいるものですから世間知らずの所もありまして、熱意だけが空回りをしておりまして、時には色々な所でご迷惑をおかけすることもあるかと思います。しかし一般的に見て、かなり順調に立ち上がって来たのでは無いかと思っております。

 今日はここには出席しておりませんが、齋藤教授というTARAのメンバーがいますが、もともと昨年までTARAの立ち上げに当たりましては研究協カ部長という管理職をやっておったバリバリのキャリア組でございました。その方も熱意余って自分の管理職手当も吹っ飛んでも良いからということで本来ならば文部省で、本庁の方に帰るぐらいの時期なのですが、これにぶち込むということで筑波大学教授として継続して直接タッチしておる、また大学の方も大学の方で、今まで事務官であった人をその熱意にほだされて、それじゃあ教授にして一つこれを推進しようじゃないかという所も少し他の大学とは変わっている所ではないかと思いますし、こういう意味で色々なフレキシビリティがあるのが筑波大学の特徴といえます。とにかくTARAというのは色々な面で新しくユニークなところを持っておりますが、それだけにスタートは順調と言いましたけれども、はっきり言いましてかなり難しいところがございます。しかし今回のこのプロジェクトはその難しいながらも一つのガイドラインを示してくれたというか、お手本を示してくれたというカニ非常に我々としては期待しております。産・官・学共同の実体がこれ程具現化されたブロジェクトは今までも無かったのではないかと思いますし、これこそTARAの目指していたプロジェクトの姿ではないかと思います。今回に限らず今後とも皆様のご協力をお願いしてTARAを皆様のご協力で育て上げていって戴きたいと思います。簡単でございますが挨拶に替えさせて戴きます。どうも有り難うございました。