構造生物 Vol.1 No.1 1995年9月発行

資料7  平成7年2月28日

 

アンケートの集計結果


 TARAプロジェクト参加企業に対するアンケートですので回答者の所属氏名は下記のとうり載せさせて頂きましたが、御回答、ご意見の番号と企業との関係は全くなく、項目毎に順序も異なっています、ご意見の中に企業名をお書きの方がおられましたが、「当社」に換えさせて頂きました。このアンケートを参考にしながら今後の計画を立てさせて頂きます重ねて御礼申し上げます。

 尚アンケートの質間部分は見やすくするため、一部カットしてあります。また、坂部知平の見出しで私の考えも述べさせて頂きました。

記入者所属・職・氏名

エーザイ

三共

武田薬品

日本たばこ

藤沢薬品

池森恵

畠忠、

藤島聡

宮野雅司

木下誉富

 

 

 

 

 

キリンビール

野義製薬

蛋白工学研

日本ロシュ

三菱化学

加藤洋一

北所健悟

森川取右

白鳥康彦

片柳克夫

 

 

 

 

 

協和発酵

第一製薬

中外製薬

万有製薬

山之内製薬

河野一通

鈴木誠、

秋元利夫

三浦圭子

栗原宏之

 

1.光学系について

1)波長範囲を0.9−1.2Aに決定して良いですか。

  御回答;良い、15名     良くない0名

2)(良くない)と回答された方。波長範囲を記入して下さい。

ご意見;

a)FeやCuの異常分散ができれば使用領域はさらに広がる。

坂部知平;本当の気持ちは上記の「良くない」に○を付けたかったのだろうと推察致します。その気持ちを抑え全員一致で「良いに」して下さったことを感謝いたします。

 実を申しますと、現在BL6Bは主としてXAFS用のステーションとして作られたため、X線に添った方向の大きさが2.2mしかありません。そして困ったことにその直前にBL6C用の2結晶モノクロメータが設置されています。2.2mの中に我々の装置を総て組み込む事は出来ませんので、我々のモノクロメータをハッチの外に出し、モノクロメータの中心から3mの位置にIPが来るよう設計しようかと思っていました。これは有利な点もありますが、カメラまでの距離が大きくなり波長を変化させるときの移動距離が大きくなり困難もともないます。

 今回のアンケートを基に本格的な設計に入るため、再度BL6B付近を2月25目(土)深夜詳しく調べたところ、60cm程大きく出来る事が分かりました。つまりTARA用のBL6Bは2.8mの大きさに出来そうです。これによりBL6Cの操作性が悪くなる可能性がありますので、これからBL6Cの担当者と話し合う必要がありますが、2.8mにすることが出来れば、我々のモノクロメータをハッチの中に組み込む事が出来、波長の選択性の余地も出来ます。現在の所、波長範囲は0.9〜1.8Aを目指してに設計するつもりです。

 

2.カメラ半径について

1)カメラ半径を複数種にすると色々間題なので一種類にしたいと思います。是非複数個のカセットが必要と思われる方は理由を書いて下さい。

ご意見

a)格子定数の大きい結晶の解析と高分解能解析を両方行う可能性がある。

b)たとえ使用頻度が低くとも、300A近い結晶でも2A台前半のデータ収集に対応したカメラが使用可能な状態であって欲しい。

 

2)カメラ半径と分解能及び結晶の格子定数の間には大きな相関があります。参考資料1(掲載を省いた)を見て決めて下さい。1)で複数個と回答された方は複数のカセット半径を提示して下さい。

御回答;カセット半径は 573m及び 1002.7mの2種  1名

            573m及び  859.4mの2種  1名

このほか1種で良い人は 573m のみ 2.5名 716.2mのみ  3.5名

            800mmのみ  1 名 859.4mmのみ 1 名

 

3)測定されると思われる結晶の格子定数の範囲、分解能及び分子量は大凡どのくらいと推定されていますか?

坂部知平;註、ご回答をそのまま表にしますと下記のようになりますが大変分かり難いので、まとめたものを次に示しました。

   

格子定数の範囲

分解能

分子量

40A〜250A 1名

100A〜200A 1名

250A 1名

50A〜200A 5名

300A〜500A 1名

30A〜500A 1名

100A〜500A 1名

100A 1名

100A〜300A 1名

 

 

2.OA  7名

2.2A  1名

1.5A  1名

2.5A  3名

1.7A〜2.5A 1名

3.OA  1名

 

 

 

 

 

200KD  2名

60KD  2名

26KD  1名

20KD〜100KD 2名

50KD  1名

24KD  1名

6KD〜150KD 1名

5KD〜300KD 1名

100KD  1名

300KD  1名

10KD〜100KD 1名

上記の表では分かり難いので格子定数はMax.のみ、分解能はMin.、分子量もMax.のみとしてまとめると下記のようになります。

 

格子定数、人数

分解能、人数

分子量、人数

100A  1名

200  6

250  2

300  1

500  3

 

 

1.5A  1名

1.7  1

2.0  7

2.2  1

2.5  3

3.0  1

 

24kD  1名

26   1

50   1

60   2

100   4

150   3

300   2

坂部知平;設問2に対するご回答を総合的に考慮しますとカメラ半径を573mとし波長範囲をO,9〜1.8Åに設定するのが最良と思われます。そうするとアンケートの表1は次のように変わります。

 

表1。半径573m(IPサイズ800x400m、横置き、X線波長1.0Å)

 

カセット半径

(mm)

IP位置

 

θ方向撮影範囲

左右方向撮影範囲

mmβdeg.A

mmθdeg.A

573.0

θ=X/20

上方IP

下方IP

400 20.O0 1.46

390 19.50 1.50

395 34.58 1.76

95 34.58 1.76

 

X線波長λA

0.9

1.00

1.10

1.20

1.40

1.60

1.80

θ上方向分解能

1.31

1.46

1.61

1.75

2.04

2.34

2.63

水平方向分解能

1.58

1.76

1.94

2.11

2.29

2.82

3.17

層線間距離3mm#

172

191

210

229

267

306

344

#:層線間距離が3mmありカップリングコンスタントを2度/mmとすると1枚に6度記録できる事になる。その時軸立てする軸方向の格子定数を示したものである。

 

  これですと要求の最高分解。能1.5Aを満足し、しかも軸立て方向の格子定数250Aも軽くカヴァーしていかす。1軸が500Aで他が150A以下ですと、カップリング定数を3deg/mに出来ますから層線間の距離をL5mとしても4.5度振動出来、実用範囲に入ります。つまり回転軸500Aの結晶でも波長1.2Åで一回に4.5度記録でき、O.5度オーヴァーラップさせたとし、100度の記録するのに100/4.25つまり25回撮影すれば良いわけですから、十分実一用範囲に入ることになります。

 

3.その他実験ステーション建設に係わるご意見(何でも結構ですから)をお書き下さい。

 

ご意見

a)RAXIS IIc等で軸立てを行い、振動範囲を決めておく方法はどうでしょうか?その為には、RAXIS IIc等と整合性を持たせておく事が必要だと思いますが?

b)企業の人が使う場合、大学の様に多くの学生を使って測定に行くのが難しく、どうしても少人数になってしまい勝ちです。そこで、IPカセットも1人で装着できるようにして頂けると有り難いです。

 

坂部知平;

a)のご意見について。ご意見有り難うございます。これは我々としては最も手の掛からない方法のご提案ですので、大半有り難いです。しかしすぐには無理ですが、時問さえあれば、オートインデクスのプログラムを組み合わせて軸立て可能なはずです。ただゴニオメータヘッドをパルスモータードライブにする方法は苦い経験がありますので、計算値を手動で動かす方が安全です。結晶の外形がはっきりしている場合は目で見ながら「感」に頼るのが、X線による損傷も少なく、これが最良です。またバイフート対を同時反射として記録する必要のない方は、軸立てをせずとも(任意の方向)振動幅を3〜5度程度に押さえてデーター収集を行い、後から方位マトリックスを求めるため(オートインデックス用に)振動写真を数枚取る方法が良いと思います。b)のご意見に付いて。IPカセットは573mのみとし、常時固定ですので装着、脱着をする必要ありません。ご安心下さい。

 

4.筑波大学TARAセンターについて

 今年度TARAセンター建物の半分が建設されます。そこで実験室等の要求をしなければなりません。結晶の中には寿命が数時間しか持たないものもあります。そういう結晶の場合遠くから運ぶことも困難になります。それほど弱い結晶でなくても、長距離結晶を運ぶと、運搬中に溶けたり、ひびが入ったりして結晶が劣化する事もあります。

此の設問はすべてTARAセンター内で行う実験についてのものです。また貴方或いは貴方の属している企業のTARA客員研究貝が利用する可能性についてのものです。(2つに○を付けた場合0.5としました)

 

1)結晶化を行う可能性はありますか?

ある5名、 あるかも知れない5.5名、 殆ど無い3.5名、 全く無い1名。

 

2)重原子化を行う可能性はありますか?

ある8名、あるかも知れない4.5名、殆ど無い2.5名、全く無い0名

 

3)結晶のサーベイを行う可能性はありますか?

ある4名、あるかも知れない5.5名、殆ど無い3.5名、全く無い1名

 

4)Fデータを得るための計算を行う可能性はありますか?処理プログラムWEISは配布

  可能ですが、DENZOは輸入のため配布は出来ません。

  ある11名、あるかも知れない2名、殆ど無い1名、全く無い1名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度で使用されるでしょうか?

毎目3時間以上O名、毎日3時間以下1名、月に数日間程度10名

 

5)グラフイックデイスプレイなどを使用し解析を行う可能性はありますか?

 ある4.5名、あるかも知れない5.5名、殆ど無い4名、全く無い1名

 

ご意見

a)用意されるプログラムによると思います。

 

あると答えられた方、一どの程度の頻度でしようされるでしょうか?

毎日3時間以上O名、毎日3時間以下1名、月に数日間程度8名

 

6)精密化などの計算を行う可能性がありますか?

  ある4.5名、あるかも知れない4.6名、殆ど無い5名、全く無い1名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度で使用されるでしょうか?

毎日3時間以上0名、毎日3時間以下1名、月に数日間程度7名

 

7)リチャーズコンパレータ(ハーフミラーを用いソリッドモデルをフーリエ図に一致  させ、正確にモデルを組むことが出来る光学器)等を用い、ソリッドモデルを作る

  可能性がありますか?

  あるO名、あるかも知れない4名、殆ど無い3名、全く無い8名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度でしようされるでしょうか?

毎日3時間以上O名、毎日3時間以下O名、月に数日間程度2名

 

8)データを持ち帰るときの手段はどうされますか?

PFではDAT利用者が最も多いのでDATを標準にする予定です。貴社で他にも使用できるメデイアがあったら教えて下さい。

DAT1O名、QIC150(1/4cartridge,CMT)7名、8mm(FACOM Exabyte)4名、M0 2名、MOD1名、MT1名、CDROM1名

 

9)その他TARAセンター内で行いたい事など、なんでも結構ですからご意見をお聞かせ  下さい。

 

a)当社は筑波に研究所があるので、殆どのことは自ら対応できると思います。

b)ソフトウエアについては解析の全過程に関して一般的な標準システムを構築し、十  分にサポートして頂きたい。種々の機能の様々なソフトウエアに付いても、できるだけ多く揃えて欲しいが、備わっているだけでは使えないと言うことがないよう「何処の誰に聞けば詳しく教えてもらえるか」程度でも良いので、整えて欲しい。

 

坂部知平;b)のご意見に添うよう努力しています。サププロジェクト2が此のあたりのことを行いますが、それでは細かいところまで行き届かず、ご迷惑を掛けることになります。しかしこのことは実際上極めて大切なことですので、できれば講師か助手を専任としてこのことに当てたいと思っています。またデータ収集についても同じく重要ですので、サププロジェクト1に頼るだけでなく、TARAに専任の教官を置く計画です。現在人員要求をしていますがポストをもらうのは大変なことです。しかし、これは極めて重要な事ですので、当分の間はポストドクターを雇って凌ごうと思っています。幸い、筑波大学にはFAISと言う財団があり、ここが研究員を雇い筑波大学の併任研究員にしてくれる制度があります。FAISへの寄付も奨学寄付金と同じく免税になります。従ってTARAの維持管理費をFAISにご入金下さる企業があれば、此の間題は解決します。もっともこの仕事に合うベストの人材を捜すのは一苦労でしょうが。

 

5.外部からのTARAセンター計算機利用について。

 この設問は貴方又は貴方の企業のTARA客員研究員が貴方の研究所からネットワークによりTARAセンターの計算機を使用する場合のものです。1)で全く無いと回答された方は2)以降は省略して6.に移って下さい。

 

1)TARAセンターの計算機を外部から使用する可能性はありますか?

 ある 6.5名、あるかも知れない 4.5名、殆ど無い 3名、全く無い 1名

 

 

2)どのようなネットワークなら平成8年度以降、利用可能になる予定ですか?

 (複数回答可)

IP8名、UUCP3名、電話4名、その他(不明1名)

 

3)どの様な頻度で使用されますか?

  毎日5時間以上 O名、毎日1〜5時間 1名、毎日1時間以下 1名

月に数日間程度 7名、極希に使用3名

 

4)TARAセンターの機種がどんなものなら、あなたの研究所からアクセスするのに便利ですか?

 

ご意見

a)UNIX(できればIRIS)を入れて欲しい 4名

b)分かりません 1名

 

5)その他ご意見がありましたら、何でもお書き下さい。

 

ご意見

a)Unix Works Stationがいい 2名

b)Silicon Graphics IRIS 1名

 

6.TARAセンターに設置するX線関係の備品に付いて。

1)回転対陰極型X線発生装置を使用する可能性はありますか?

  ある 3名、あるかも知れない 3.5名、殆ど無い 4.5名、全く無い 3名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度でしようされるでしょうか?

毎日5時間以上 O名、毎日5時間以下 O名、月に数日間程度 5名

 

2)プレセッションカメラを使用される可能性がありますか?

  ある 2名、あるかも知れない 2名、殆ど無い 7名、全く無い 4名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度でしようされるでしょうか?

毎日5時間以上 O名、毎日5時間以下 O名、月に数日間程度 2名

 

3)データ収集の主力はBL6B利用ですがリングが停止している時は利用できません。リング停止時、及びサーベイ用にIP利用の自動回折計、例えばR−AXIS,DIP,Mar等を使用される可能性はありますか?

ある 4名、あるかも知れない3名、殆ど無い 4名、全く無い 4名

 

あると答えられた方、どの程度の頻度でしようされるでしょうか?

毎日5時間以上 0名、毎日5時間以下 0名、月に数日間程度 5名

 

4)その他X線関係備品について必要と思われるものがありましたらお書き下さい。

 

ご意見

a)冷却装置(温度をなるべく正確にモニターできるもの)3名

b)低温実験で結露を防ぐためにハッチ内だけでも除湿するシステムがあれば良いと思います。

C)試用という形式でも良いので、最近のものを色々使ってみたい。(株)リガクで発売予定(若しくは発売済み)の蛋白溶液が結晶になるか否かを判断出来るレーザー光(名前は不明・京大化研で使中)にも少々興味があります。但し、これはすぐには必要だとは思えないので、今後の検討項目として考えて欲しい。

 

坂部知平;

a)、b)のご意見については既に計画に入っております。現在稼働しているBL6A2,BL18B共にオックスフォード社の低温装置及びハッチ内の除湿機が備わっています。除湿器のパワーアップは可能です。C)予算とスペースに余裕があれば出来るだけ、ご希望に添いたいですが、今のところは後日の検討課題にさせて下。さい。4月になりTARAが正式に発足しましたら少なくとも情報交換が容易に出来るよう色々な手段を考えます。今暫くお待ち下さい。

 

7.TARAセンターに設置する電子計算機関係備品について一応参考資料2(掲載省略)の機種構成を考えていますが、これはあくまでも申請の段階でのものです、実際には後日第2班が決めることになると思います。その時の参考資料にいたいので、自由に意見を述べて下さい。機種構成など具体的なほど参考になります。

 

ご意見

IRIS power challenge 2名、IRIS3台以上4名、インターネット接統1名、カラープリンター(昇華型プリンター)2名 DATドライプ1名、

 

その他のご意見

a)回折写真や立体構造をワークステーションから出力するカラープリントb)Beam 1ineの他に

可成り多くの機械がありますが、面倒を見きれるのでしょうか?坂部知平;

b)について、私一人でこれだけの面倒を見ることは全く不可能です。現在TARAに対し教授1、

助教授1、講師2、助手3、計7名のポストを要求しています。しかし、実現する可能性は低い

です。当面はポストドクトルを2〜3名雇うことで凌ごうと思っています。詳しくは4−9)を

参照して下さい。

 

8.TARAセンターに備えるソフトウエアに付いてソフトウェァは常に更新致したいと思っています。常時意見を聞くことができますので未だ時期的に早すぎる感もありますが、欲しいプログラムなど具体的にご記入下さい。

 

QUANTA-Xray 3名

WEIS   1名

PROTEIN 1名

GAP    1名

CHARMm   1名

XPLOR 2名

SQUASH 2名

O    2名

RasMol 1名

 

X-FIT  1名

DM   1名

Ribbon 1名

Phases 1名

 

CCP4  4名

MAD用位相決定ソフト 1名

XtalView  1名

Molscript 1名

DENZO  2名

その他のご意見

a)プログラムは十分過ぎるくらい手に入ると思いますが、プログラム間のinterfaceはとって頂けるのでしょうか?

 

9.TARAの建物について

平成7年度に建物の半分(確か2,500・)が建設されます。参考資料2(掲載省略)に申請書に出す予定(締め切り日は2月21日〉のものを示します。2月20日までにご意見が頂けると大変有り難いと思います。

 

ご意見

a)会社から行く時は、PFでの車の利用ができません。そこで自転車等、移動手段をご考慮頂けると有り難いです。

b)試料によると遺伝子組み換えと発現・精製用の設備が含まれていますが、実際どの程度の二一ズがあるのでしょうか。結晶化を目的にした大量精製まで行うことを考えるなら、中途半端にならないかと心配です。結晶解析を中心に考えるならばDNAシークエンサーや遺伝子導入装置は不要な気がします。

c)これからのX線結晶学は面白いサンプルをただ待つだけではなく、如何にそれを入手するかがキーポイントになりそうです。それ故、X線結晶学者もある程度の遺伝子組み替え技術をマスターする必要があるので、TARAプロジェクトの生化学者に指導して頂きたい。

 

坂部知平;ご意見a)について、自転軍を常備することは間題なくできます。但し「何時も乗れるようにちゃんと管理す.る」事を考えなければなりません。小物ほど(例えば工具のようなもの)管理は難しくなります!!ご意見b)にっいて、TARAは本来産官学が協カしあって大きなプロジェクトを推進するためのものです。構成員として筑波大学の教官と学外の研究者の人数がバランスを取ることになっています。我々のプロジェクトは総てが特別で、全くのアンバランスになっており筑波大学の教官は数名しか居ません。現在筑波大学の専任の教官で蛋白質結晶学を専門としているのは私しか居ません。従って、我々のプロジェクトに加わって頂けた筑波大学の教官は農学、生化学、医学、の方々です。ご指摘の物品はそれらの教官からの要求でして、現在TARAからご指摘のもの及びIP回折計一式、計算機等、総額ユ億6千万円の概算要求を文部省に要求して頂いております。とうれば良いのですが。ご意見c)について、遺伝子組み替えなど生化学の方は多数おられます。TARAのセンター長は公正を期するため、プロジェクトに属することを禁止されていますが、センター長の村上和雄教授は遺伝子組み替えの大家です。協力は惜しまないはずです。

 

10.貴方の研究所の設備について

此の項目はTARAセンターの設傭を考える時の参考にするためのもので、既に多くの設問で十分かも知れません。従って少しでも「書いてはまずい」と思われたらスキップして下さい。

 

1)X線関係の備品はどの程度揃っていますか(具体的に)?

 

ご回答

a)R−AXICIIc

b)試料調整用の設備しか有りません。例えば、HPLC(分析用、調整用)、アミノ酸シークエンス装置、分析装置、DNA自動シークエント、など。

c)4軸型自動回折計、プレセッションカメラ(RAXISは申請中です)

d)RIGAKUAFC7S,RIGAKURU200の上にRAXISIIc,Noniusプレセッションカメラ

e)San Diego Multi wire System with a RotatoryAnodeX−ray generator

f)RU−200,R−AXISIIc、フレセッションカメラ

g)DIP−320W,4軸

h)DIP−100,DIP−320,RU−300,ENRAF NONIUSの結晶冷却装置、その他カメラ4台

i)殆ど揃っている。

j)R−AXISII,4軸(CAD4)、結晶化の恒温層

k)R−AXISIIc、プレセッションカメラ、理学AFC、冷却装置

l)CAD4,FAST、封入管式X線発生装置、回転対陰極型X線発生装置

m)X線発生機、IP回折計、プリセッションカメラ

n)低分子化合物解析用のものは人体揃っているが高分子用は殆どなし

 

2)計算機関係の備品を具体的に記入して下さい

 

御回答;

a)Iris2台

b)ハード:IRIS,Indigo22台、Indy1台、昇華型プリンターソフト:Biosym社INSI・

T/DISCOVER,Delphi、自社開発のモデリングソフト”MOLOC”

c)INDY,VAX

d)IRISXS

e)IndigoII extremeなど

f)IRISワークステーション

g)IRIS

h)Indigo2,UXPM,VAX

i)IndigoXS24 R4000,IndigoXZ R4400,Indy R4600

j)VaxII.2000,Vax4000/1OO

k)IRIS,Indigo,Evansのグラフィックス

1)IndigoIIをはじめ、unixマシン(SGI)が数台、IBM

 

3)プログラム関係はなにを使用しておられますか?

 

御回答;

a)X_PLOR,PROLSQ,CCP4,TURBO_FRODO

b)X−PLOR,TURB0−FROD0,MERLOT,CCP4(準備中)

c)Phases、・P4,Protein,Mer工ort,X−PLOR,AutoMR,XtaiView、その他

d)PROTEIN system、0,X−PLOR

e)X_PLOR,Protein,Denzo

f)CCP4,Protein,DENZO,X-PLOR,O

g)X−PLOR,PROLSQ

h)Protein,X−PLOR,X−FIT(Quanta/charmn)

i)CCP4導入予定、Protein

j)CCP4,X_PLOR,TNT,Phases

 

4)その他結晶化の装置(ロボットなど)等、結晶解析に必要なものにつ

 

御回答;

a)インキュペータ2台、偏向顕微鏡3台(内1台は低温室用)

b)蛋白結晶作製装置IMPAX

C)試料低温装置

d)結晶化恒温装置

e)ロポット等によるサーペイなどの仕事はむしろ各企業でやらせた方が、能率的なの

ではないかと思います。但しはっきり条件がきまってから結晶の運搬などでこわれ

てしまう事もあるのでロポットもあっても良い。

f)IMPAX

g)ロポット導入予定

 

11。今後の企画について

 

1)定例的な集会を持つ必要性がありますか、またその頻度は?

御回答;

年1回  2名

年2〜3回  1名

年4〜6回  1名

年2〜4回  1名

年4回  1名

年1〜2回 1名

年2回  1名

 

   

少数を付けて纏めると

年1回 2.5名

年4回 1.6名

年2回  2.3名

年5回 0.3名

年3回 0.8名  

年6回 0.3名

  その他のご意見

a)出来ればやってもらった方が、他社の動向などを社内に説明しやすい。

b)情報交換は必要だと思います。

C)特に必要なし

d)技術的な間題を何でも話し合ったらと思います。

 

坂部知平:例えばNEWS LETTERの様なものを定期的に発行し、情報交換ができるようにしたいと思っています。その節は御協力御願い致します。

 

2)講習会、講演会などの必要性についてご意見をお聞かせ下さい。

 

御意見;

a)まず、ワイセンペルグカメラ、WEIS(or DENZO)を使ったデータ収集と処理の実習

  を含む基礎的な講習会を希望します。

b)実際に簡単なタンパクについての講習会が有りましたら個人的に非常に幸いです。

C)ソフトウエア関係の理論及び実際の使用方法について講習会又は勉強会があると助

  かります。これについては月に1回でもかまわない。

d)E−mailの意見交換ができることがまず必要。その上で必要な講習会などを行う。またTARA主催での国際ワークショップなどを年に1回程度開くことが発展に重要ではないか。

e)使用前に利用者を集めてビームラインの使用法の講習会を行ったらどうでしょうか(個々に教えるのは大変だと思うので)

f)データ測定法、やプログラムについての講習会あるいは、シンポジウムがあるとよいと思います。

g)講習会は最初にやってもらった方が良い。

h)数年後は外部の講演会の案内のみで良いが、当初は先生方が私達の至らない点を集  めて話をしてくれれば助かります。

i)外国人研究員が実験に来られた時、できればセミナーをやって欲しい。

j)生の声と云うことで、若手(例えばPF渡辺信久さん、蛋白研山口さん等)の方に苦労話を話して頂きたい。

k)特に講習会を望む。

1)標準装備として位置づけられる、装置やソフトウエアに関しては、是非実習を含む講習会を開催して頂きたい。

m)講習会、講演会共に開催を希望する。特に少人数の講習会を開催して頂き、レベルアップに役立てたいと思う

 

坂部知平;出来るだけご意見に添うよう努力いたします。