構造生物 Vol.1 No.1 1995年9月発行
第1回運営委員会報告
開催日時 平成7年7月13日(木)、13:00−17:00
開催場所 筑波大学本部棟6階特別会議室
出席者 プロジェクト代表 坂部知平
班長 1.渡辺信久、2.東常行、 3.坂部貴和子、
5.月原冨武、6.祥雲弘文、8.田仲可昌、
9.佐藤能雅
企業委員 畠忠(代表)、池森恵、加藤洋一、栗原宏之、佐藤明啓、
三浦圭子、宮野雅司、森川取右。
臨時出席 酒井宏明。
欠席者 4.三木邦夫、7.野中孝昌、
報告
創刊号は本プロジェクトの計画から第1回総会までの記録を中心にし、原稿は殆ど出来上がっている。発行予定は8月31日
ジャーナルのデザインは現在検討中
2.ビームライン関係(資料16、写真2)BL6B建設は順調に進んでいる。BL5の建設も近い将来に行 われる可能性が大きい。近い将来とは云っても、未だ日程には上がっているわけではない。低エミッタンス化のための長期シャットダウンが平成9年度にあり、これまでは光源のスタッフが忙しく、マルチポールウイグラーを設計、製作、設置・性能テスト等を行う時間が無いと思われるので、恐らく平成10年度〜11年度に使用出来るようになると思っている。我々としてはこれを蛋白質結晶解析用実験ステーションにしたい。れには建設資金を我々が用意する必要がある。出来ることなら全額TARAで負担しTARAも大いに利用できるようにしたいが、それには未だ資金が不足している。マルチポールウイグラーラインの建設は費用がかかるので、全額負担するためには恐らく18〜22企業の参加が必要になる。現在8企業が既に参加しており、更に今年度中に2社の参加が見込まれている、従ってあと8〜12企業の参加があれば全費用を持つことが出来る。BL5に対するTARAの態度は平成8年度中には決定しなければならない。現在出来る範囲でTARA建設費を持ちその分TARAが使用できるよう努力している。
3.筑波大学内TARAの整備状況共同研究棟Aの112号室(1階)が坂部知平の居室として確保出来たので、来年度の予定であった電子計算機の一部を112号室に早急に設置しこの部屋を本プロジェクトの共同利用計算室に当てる予定である。居室は同棟5階の501室を交渉中(後日交渉成立)。計算機関係は第2班担当なので東常行班長と酒井宏明が準備運営に当たる。
4.建物関係TARAの建物の第一期工事2,500m2は本年着工するが、しかし我々が使用できる建物は第二期工事2,500m2の一部である。従って我々が使用できるようになるのは恐らく平成9年の夏以降であろう、場所は本部棟の北北西で(資料17)現在は樹林帯である。
5.TARAメンバーが共同利用として筑波に来るときの旅費の援助
旅費の基準は各研究グループ1回に付き2人以内の援助とし、運賃(タクシー、グリーン車等は認めず)、@日当1,500円、◎宿泊費3,000円としている。
6.ビームラインアシスタント(愛称;助っ人)の謝金
蛋白質結晶解析用ビームラインの人手不足及び来年TARA用ビームラインが出来たときの世話人の確保等のため土日及び祭日を除き日当4,OOO円の謝金を支払ってBL6A,BL18Bに課題を持っている大学院生にアルバイトを頼んでいる。
7.日本生物物理学会から原稿依頼があり「TARAプロジェクトから構造生物学センターへの発展をめざして」と題した原稿を書いたのでご意見を頂きたい。
8.藤沢薬品工業が建設に参加を表明した。
議案
議事に先立ち藤沢薬品工業(株)が建設に参加を表明したことを機会に、今後新たに参加する企業の取り扱いについて議論がなされ、「平成7年度中に参加の申し込みがなされた企業については、既に参加している7企業と区別しない」事が決定された。この決定に基づき企業委員に藤沢薬品工業(株)の佐藤明啓氏を加えることが決定された。今年8月中旬から本プロジェクトのための助手として採用予定の酒井宏明を委員に加えることを坂部知平が提案し了承された。
1.ジャーナルに付いて。
ジャーナルの名称を「構造生物」とする。
編集委員は筑波地区から選ばれ次の通り決定された。
委員長 栗原宏之(山之内製薬(株))、
委 員 三浦圭子(萬有製薬(株))、酒井宏明(筑波大学)、
顧 問 田仲可昌(筑波大学)。
第2号について坂部知平が下記の提案を行い、原案通り承認された。
発行予定12月31日以前
内容
各サププロジェクト(各班)の活動報告、特に第1及び2班の進展状況
PFの使用経験と構造解析成功の実例及びその意義(仮題)三共 畠忠氏
世界を股に掛けたSR光使用経験に基づく比較検討(仮題)JT 津下英明氏
求職欄;特に大学院生の自己紹介(ポートレート掲載可、履歴書、研究内容、特技、
趣味、どのようなことがやりたいか等今後の希望、但し希望する企業名は
記載しない)
求人欄;内容は参加企業に任せる、参加企業(或いは委員会メンバー)の紹介が有
れば未参加の企業も掲載可(このあたりをどうするか検討の必要有り)
研究室紹介、
班員の研究論文紹介
お知らせ
2.講演会、講習会について
行事委員会が設定され、次のように委員が決定された。講習会、講演会の企画、実行など総て委員会の決定に待つことが了承された。
行事委員
委員長 畠忠(三共(株))、
委 員 池森恵(工一ザイ株))、酒井宏明(筑波大)
顧 問 佐藤能雅(東大)、祥雲弘文(筑波大)
3.サブプロジェクトの運営について
坂部知平より「今回以下のこと総てを具体化することは出来ないと思うが、TARAの本命は各班が夫々の成果を揚げることにあるので、成果を揚げるにはどうすべきかを各班真剣に考えて欲しい」として下記の提案がなされた。
提案事項
平成7年6月5日付けでTARAセンター長より「論文等に記載する所属及びAcknow1edgementsについて」の依頼があった(試料18)。この中で我々のブロジェクト名の英訳をどうするか議論して頂きたい。
決定事項
1)〜4)については各班で検討する事になった。
5)本プロジェクトの略称は[Sakabe Project]とすることが決定された。
4.委員会等旅費支給について(資料19)
報告4.で援助している旅費の基準はあくまで
も各自の研究のため筑波に来る人、特に大学院生を対象にしたものである。これから委員
会など会議が多くなると思うが報告4。以外の旅費の基準は公務員に準じて良いか。
原案通り公務員に準づる事が承認された、但し旅費は総て(財)FAISから支払われるのでFAISの基準を上回ることは出来ない。
5.ビームタイム配分方法について
来年5月以降TARAビームラインが稼働したときのビームタイム配分方法に付いて坂部知平から下記の条件の説明があり、引き続き坂部知平が叩き台として下記の提案を行い、多くの議論がなされた。
条件1;正式参加を約束(寄付を約束)した企業に対しては1〜2週間前に申し込み
が有れば利用可能にする。
条件2;企業同士のトラブルがない限り企業の申し込みが有れば受け付ける。
(年2回などという制限はない)
条件3;ビームタイムの50%は共同利用に開放する(P−Fの規則)
条件1,2は坂部知平がTARA参加に対し企業と約束したいわば公約である。条件3はPF
のルールであってこれは守る必要がある。
坂部知平案
条件3の共同利用とは「PACを通った課題」という意味である。そこで大学等PACを利用出来るTARA研究員並びにTARA客員研究員は、原則としてPACに今までどうり課題の申講を行い共同利用者になる(以後TARA共同利用者と略す)。
1)TARA共同利用者はBL6Bのpm9:00〜翌日am9:OOのビームタイム配分をその期が始ま
る前に決定する(現在通常の共同利用の予約と同じ時期に類似した方法により決定する)。
2)企業は1〜2週間前(幾日前にするかは、はっきり決めておく必要有り)に申し込めば
昼間(am9:00〜pm9:00)に利用出来る。
3)企業の申し込みのない日は前もって配分を受けたTARA共同利用者が終日使用する。
4)TARA共同利用者は事実上、可成り沢山BL6Bが使用できると思われるので、一般共同利用者としてはビームタイムを多少遠慮して頂き、TARA以外の共同利用者の利用時間を増す事に協力する。
5)企業同志が同一ビームタイムを希望したときのルールを決めておく必要が有る。まずは坂部知平が交通整理をするとしても、ルールが有った方が楽である。
これに対し「坂部知平案は寸前に申し込みが出来る点は良いが、企業は常に昼間しか利用
できないことになる。企業でも低温実験などで2日間連続して使用したいこともありう
る」という意見があり、多くの議論の末次の決定がなされた。
ビームタイム配分に関する決定事項 1)ビームタイムの約50%は時間の制限無く(数日間の連続しようも可)申し込み順に割り当てる、但し、60日(60日を含む)以前であれば申し込み順でなく、TARA企業、TARA非企業(外国を含む)、一般共同利用者の順に優先権がある。 2)ビームタイムの残りの約50%については昼の時間帯(am:900−pm9:00と夜の時間帯(Pm9:OO−am9:OO)に分ける。14日(14日を含む)前までは、昼の時間帯はTARA企業に、夜の時間帯はTARA非企業に。優先権がある。14日以後、昼の時間帯が空いている場合は、その日付の夜の時間帯に割り当てられた人が昼の時間帯の使用権を得る。 3)キャンセルは原則として14日前までに行う。 4)TARA外国人については半年前迄に決定する代わりに最優先権を認める。但し場合によっては上記1)に準ずることもある。 5)このほかビームタイム割り当て表がネットを通じて何時でも見られるよう、毎日アップデートする人を雇う(学生アルバイトなど、兼任)。管理は酒井宏明氏が担当する。 6)この方法でしばらく様子を見て、ビームタイムの50%は共同利用者に開放するというPFの原則に抵触するおそれや、その他の問題が生じるようであるならば、その時点で再度協議する。 |
6.その他次の事項が決定された
総会は年1回開催する。本委員会を「坂部プロジェクト運営委員会」略称「運営委員会」と称する◎運営委員会は年2回開催、内1回は総会前1時間程開催する。
運営委員会は代理出席出来るものとする。
その他企業委員から「平成9年度のPFの長期シャットダウン時、何らかの保証はして頂けるのか」という質問があり、これに対し坂部知平から次の回答がありました。「このことは申し上げた上での事ですから、保証の義務は全くないと思っています。しかしTARA
メンバーが出来るだけ満足して頂けるようにしたいので前向きに出来る限りの努力を致します。例えば、IPを使用した一般実験室用のデーター収集システムを長期シャットダウンに間に合うようTARAで購入することが考えられます。ここで一番の問題点はそれまでに入れる部屋が建設或いは借り入れ出来るかという事です」。
付記;運営委員会開催後更に、第一製薬(株)の参加申し込みがあった。また三菱化学株
も今年度中に参加の可能性がある。従って平成7年8月16日現在建設参加企業及び参加
予定の企業は下記の10企業である。
企業名 |
運営委員 |
企業名 |
運営委員 |
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蛋工研(生物分子工学研) 日本たばこ産業(株) エーザイ(株) 萬有製薬(株) 三菱化学(株)(参加見込み) |
森川秋右 宮野雅司 池森恵 三浦圭子 松崎伊雄 |
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キリンビール(株) 山之内製薬(株) 三共(株) 藤沢薬品工業(株) 第一製薬(株) |
加藤洋一 栗原宏之 畠忠 佐藤明啓 山崎憲一 |