構造生物 Vol.2 No1
1996年4月発行

TARAビームラインのハッチとデッキ


鈴木 守

高エネルギー物理学研究所

皆様に使用していただく実験ステーションBL6Bのハッチ及びデッ キの概要を説明します。すでに他のビームラインの構築物がある中での 建設でしたので大きさ、場所の制限を受けています。

【ハッチのサイズ】
上の図でハッチングしてある部分がTARAビームラインの実験ハッチ です。ビームの方向のハッチの外寸は2945o、それと垂直な方向の外寸 は3150o、天井の高さは2900oです。これらは全て放射光実験施設の敷 地のきまりぎりぎりの大きさです。点線は物品搬入用の作業領域で、こ の部分への構造物の建築は許されていません。

【デッキ部】
ハッチの上にlP読み取りと結晶のマウント作業に使用するためにデッ キ(上の図の太線の領域)を建築しました。今まで物置としか使われて いなかったBL6Aのデッキ部と繋げることによりかなり広い実験ス ペースが確保できました。ここに最終的には大型1Pリーダを4台(B L6A,BL6B、それぞれ2台ずつ)を設置する予定です。デッキヘ の移動は階段を利用して行います。図のTARAのハッチのすぐ左に示 してあるのが階段です。敷地の制約から少々急になっています。

【ハッチの冷房について】
ハッチ内部は50oの断熱材を壁、天井に張っています。この仕様はBL 6Aとほぼ同じですが、冷房装置の能力を約2倍に上げました。国内で は100Kよりはハッチ内の温度を冷やす方が多いようですのでこのよ うにさせていただきました。戸を閉め切った状態でのテストでは2℃に なることを確認しました。

ほぼ設計通りのものができました。利用法、常備した方が良いものなど があればどうぞお知らせください。善処したいと思います。


ご意見、ご要望などは下記のアドレスにメールを下さい。
sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp