山之内製薬筑波研究所は、つくばセンターバスターミナルから車で西へ約10分の西部工業団地内にあります｡西部工業団地と言うよりつくば万博の跡地と言った方がわかりやすい人もいるでしょう｡この筑波研究所には創薬研究本部に属するほとんどの研究機関が集結し、新薬を世の中に送り出すべく創薬研究を行っています｡学生の方の中には、つくばという土地に対してあまり良くないイメージを持っている人もいるかもしれませんが(私もそうでした)、住めば都で車さえあれば何の不自由もない生活を送ることができます｡我々のグループは創薬研究本部化学研究所分子化学研究室に属しており、計算機化学、X線解析、NMRそれから蛋白質調製を行う研究者等の計11名から成っています｡グループの目標は、薬物とその標的分子間の相互作用解析、特に構造情報に基づく創薬です｡そのために、標的蛋白質分子の大量発現および精製、X線解析やNMRによる蛋白質の3次元構造解析や蛋白質化含物間相互作用の解析、3次元QSARによる化含物の活性予測計算などを行っています｡薬を創るという観点からみると、このような構造をベースにしたアプローチはまだまだ歴史も浅く多くの課題を残しているのも事実ですが、将来的には必ず有力なアプローチの1つになると思います｡現段階では欧米の製薬企業のような成果はなかなかだせませんが、少しずつ前進して実際の創薬に貢献できるように努めているところです｡
X線関係の仕事は、現在片山と栗原の2名が担当しています｡設備としては、リガクR‐AXISUc回折装置、IMPAX自動結晶化装置、Dynamic Light Scattering測定装置を購入し、またTARAへの参加を通じて放射光も使用できるようになって、ようやく体勢が整ったかなという感じです｡研究所はPFから車で30分程度の距離にありますから、興味のある方はぜひ見学にきて下さい｡