説明会名:Xsightバージョンアップ説明会
参加者の所属および氏名
農水省・農業生物資源研究所 藤本瑞
東京大学・薬学研究科 西田元彦・清水洋成
東京大学・生物生産工学研究センター 加藤有介
名古屋大学・大学院工学研究科 白井剛・坂田誠
京都大学・化学研究所 畑安雄
長岡技術科学大学 坂本泰光・丹健太郎
萬有製薬(株) 三浦圭子
味の素(株)中央研究所 柏木立巳
山之内製薬(株) 栗原宏之・片山直子
塩野義製薬(株) 岬真太郎
エーザイ(株) 川上善之・櫻井正博
FAIS 坂部知平・坂部貴和子・官本康弘
当日の説明は、今までのバージョンに追加された部分および改良された部分に重点を置いてなされた。主に次頁以降の3項目についてデモデータ処理を含めて紹介された。
1)NADSYS
2)QUANTA X-COMPLETELY-AUTOFlT
3)Xsightの改良部分
以下に各項毎の要点を報告する。
Insight / X-sightのmenu boxに新しく[MAD]の項目が追加されていた。 デモはdnaKのデータを用いて行われた。必要なパラメーターはmenuに従っ て入力するようになっていることはX-sightの他の位相計算と同様に行えるよう に設定されている。
手順は、以下のように説明された。
デモデータを使った位相計算および精密化が行われ、マップ確認まで説明入りでTARA ワークステーションのIndigo2 R4400を用いて約30分程で計算されていた。
マップの確認の為に電子密度計算するには、従来のMIR phasingの際に用いて
いる部分を利用することになる。
tutona1が用意されているという話であった。
QUANTA97では、X-AUTOFIT,X-BUILD,X-LIGANDに加えて X-COMPLETELY-AUTOFITが新たに追加される予定である。この機能では、bone mapから2次構造の情報をベクトルとして自動的に検出しCαに変換していくことと、 Cα構築展開を自動的に行うツールが含まれている。
実際の操作は、以下のように紹介された。
電子密度の低いループ部分については、モデル構築ができた部分を使って画面上で両端を 選択し、モデル候補が40種類程検索されていた。操作性はよいことが紹介された。
使用例として、約750残基のPenicimn acylaseの解析での有効性が
紹介された。MIR/ de novo buildingでも数カ月でYork大で解析完了したと
いう実績が説明された。
詳細な概要資料は、菱化システムより提供された。
Xsight95では2DのマップでそれぞれのHarrker sectionについてそれぞれ patterson peakを探していくようになっていたので操作が煩雑であったが、3D図で 直ちに表示および確認できることは、より理解しやすい印象があった。
分子置換法も計算アルゴリズムの改良により、計算時間が短縮されていた。
デモデータを用いた解析手順に応じたメニューの紹介がなされた。
Protein Crystallography Presentation資料(MSI)
ソフトウエア開発の傾向として、Xsightは位相計算の部分を強化していく方向である
ので、今回のようなMAD対応の計算システムが追加されていることや、MmRの重原子位置の
検索を解り易くする工夫等が特徴的である。MADSYS解析用データは放射光を有効に利用
することで収集できることから今後利用者は増えていくものと考慮される。
グラフィックスを使った構造精密化は、QUANTA/X-rayの方が使いやすいことを強調 されていて、デモンストレーションでも丁寧に解説があった。X線構造解析の必要なステップに応じてアプリケーションを使い分けていくことを考えた方が良いようである。
以上