構造生物 Vol.3 No.2
1997年7月発行

研究室紹介


松崎尹雄

三菱化学・横浜総合研究所・松崎研究室

X線回折関連の研究は4グループで行われている。ここでは、ポリマー関係を除き、 筆者の関与する3グループを紹介する。

1番目は横浜総研・松崎研。当社唯一の冠研究室で、既存のタテ割り組織と異なる、 新しい研究風土を創り、成果をあげることが目的である。テーマは「蛋白質X線解析 と医薬分子設計」。2番目は三菱化学生命科学研究所・構造解析研究室。別会社では あるが、筆者が室長を務め、密接な協力関係にある。テーマは「蛋白質NMRと蛋白 質大量発現・精製」。この2グループを合わせ、X線解析は松崎、アルノ・ペーラ、 杉尾成俊、佐々木千津子、長谷川司、ポスドクのB.パドマナハンの6名。医薬分子 設計は久保寺英夫、奥村千英子の2名。蛋白質NMRと大量発現・精製は河野俊之、 小林邦子、岩本真理子、ポスドクの坂本泰一、北里大・講師の小寺義男、群馬大・院 生の楠英樹が3名+3名の比率で担当。さらにポスドク1名募集中(締切:97.5.30, 大量発現十X線またはNMR)。ほかに、蛋白質分離・配列決定に大森彬、一ノ瀬幸 代の2名。この体制で、病気の原因蛋白質を発見→大量発現→X線・NMRによる立 体構造決定→医薬分子設計→リード化合物提案を実行中。

3番目は横浜総研・分析物性研・機能設計グループ。医薬・触媒・有機/無機機能林 の単結晶構造解析と粉末/薄膜のX線回折・リートベルト解析を担当。テーマは「立 体構造解析と機能材設計」。リーダーの小佐野康子と小島優子、松本保明、石川あか ねの4名。放射光利用はTARAに加え、Spring-8の兵庫県プロジェクトにも参加。 放射光が標準設備で、実験室装置は予備実験用となり、X線回折実験の時代が変わる と実感している。


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