構造生物 Vol.3 No.3
1997年12月発行

自己紹介


伊藤啓

北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻

学生紹介
氏名 : 伊藤啓(いとうひろし)性別:♂
所属 : 北海道大学大学院理学研究科生物科学専攻
高分子機能解析学第二講座・修士課程1年
Phone : 011-706-3809
E-mail : ito@indy-polymer.hokudai.acjp

初めまして。北大理学研究科の伊藤と申します。タンパク質のX線結晶構造解析 学を本格的に学びたくて、4年間過ごした筑波大学から、ここ北大を進学先に選びま した。筑波大学では応用生物科学系・村上先生のもとで分子生物学の勉強をしてい ました。

私が大学学部生の時、村上先生がご自身の開かれている講義の中で坂部先生をお 招きになり、タンパク質X線結晶構造解析の講義を聴く機会に恵まれました。その 時坂部先生が、「これ以上におもしろいものはこの世に存在しない。」と言わんば かりの、非常に熱のこもった講義をされまして、幸か不幸か私はタンパク質X線結 晶構造解析にすっかり魅せられてしまいました。そうして現在、北大・田中先生、 中川先生のもとで、転写制御因子・OmpRファミリーの構造解析をテーマに、日々 研究に励んでおります。

OmpRファミリーは原核生物に見られる最も単純なシグナル伝達経路を構成して います。外界の環境変化を感知したセンサータンパクによってリン酸化される事 で、DNA上のプロモーター領域への結合能が変化する転写因子群です。その多くは N末端側のリン酸化領域とC末端側のDNA結合領域の2つのドメインに分かれてお り、OmpRのC末ドメインの結晶構造は、本研究室を卒業された近藤さんによって 解明されております。私の研究の目的は、

  1. OmpRファミリーの一員である、KdpEの結晶構造解析
  2. OmpR、KdpEとDNAとの複合体の結晶構造解析
  3. 更に、これら転写因子との相互作用が生化学的に示されている、RNA-polymeraseを含めた三元複合体の結晶構造解析 を行い、転写因子・基本転写装置・DNA間の相互作用を構造学的側面から明らかに することです。
道のりは遠いですが、千里の道も一歩から。未熟者・伊藤は今日も また、失敗を繰り返しつつ「見てろ、そのうち解いてやるからなァ」と、心意気を 新たにするのでした。

まだまだ分からないことばかりです。よろしくご指導お願いします!


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sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp