構造生物 Vol.4 No.1
1998年3月発行

大嶋研究室(回折物性研究室)



研究内容

私達のグループは物質の平均の原子配列及びその揺らぎ・乱れをX線、放射光及 び中性子辛泉散乱法により調べています。その対象となる物質ば実用合金から単体と 広範囲にわたっております。そのなかで最近の一番ホットな例としてば金属ナトリ ウムの単結晶作成から始まってフォノン(熱振動を量子化した量)の測定、さらに は構造変化の解明があげられます。皆さん小学生のころ金属ナトリウムを水の中に 入れ爆発するのを楽しんだ経験が有るでしょう。一方では原子力発電の冷却材とし て大量のナトリウムに使われています。このようになじみがあり、かつ最も基本的 な物質でも未だに未知の部分があるとは驚きでしょう。科学技術の発展には地味で 根気のいる仕事がぜひ必要になっています。

私達は植・南研究室、田崎・喜多研究室、大成・松石研究室とは密接な関係を保 ちながら超電導体、磁性体等で共同研究を行っています。

実験室では主として強力な出力をもつ回転対陰極型X線発生装置(60KV,3 00mA)を用いて低温回折実験を精力的に行いつつ、高エネルギー物理学研究所 放射光実験施設を利用してさらなる散乱実験を行っています。それに加えて磁性的 な揺らぎおよびフォノンの分散関係の測定には高工研と日本原子力研究所におけ老 中性子散乱施設を利用しています。このように筑波研究学園都市にある大学として 周辺の研究施設を最大限に活用しつつ、大学院生を無機材研に実習生として派遣し 最先端の設備を使って研究実験に取り組んでいます。さらには、積極的に外国人留 学生を受け入れたり、また1年に何人もの外国人研究者が来室して実験や議論・討 論をしています。

研究テーマ

  1. 一次相転移のカイネテックスの研究
  2. 二元合金の規則一不規則変態および構造と磁性(特にスピングラス)の関連性 についての研究
  3. 誘電体、層間化合物、超伝導体における相転移の研究
  4. 短波長X線を用いた物質の構造解析の研究
  5. ランダム磁性体の構造とスピン相関
スタッフ
教授 大嶋建一(ohshima@bk.tsukuba.ac.jp)
助手 高橋美和子(takahasi@bk.tsukuba.ac.jp)
助手 熊沢紳太郎(kumazawa@bk.tsukuba.ac.jp)
D5 竹田寿之、Steffen Weber
D4 高橋靖彦、庄司貴幸
M2&D2 松尾隆二、池田卓史
M1 神田泰貴、瀧本道也、長瀬俊樹、吉見俊二
B4 斉藤寛之、土子将史、三宅まり子、綿引隆
研究室 F605(内線5300)
院生室 F402(内線5431)
実験室 G218(内線5049) G220(内線5033)


ご意見、ご要望などは下記のアドレスにメールを下さい。
sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp