構造生物 Vol.4 No.2
¶1998年8月発行

平成10年度前期TARA坂部研究プロジェクトの活動


運営委員会委員長

坂部知平

I. TARA用実験ステーション

1. 低エミッタンス化

平成10年度前期のビームタイムは4月7日に開始され6月28日に終了した。この間のスケジュールを表1に示す。4月28目−5月12日は運休になった。この後、昨年度 長期シヤットダウンを行って実施された低エミッタンスのSR光がユーザータイムに提供された。残念ながらBL6Bに関しては明らかに輝度が高くなったという感じはしなかっ た。原因は不明だが、集光光学系を用いていることが原因かもしれない。以下少し考察してみる。BL6Aでは0.1mmのコリメータで約3倍の強度になると予想されていた。カメラ半径 の大きな測定装置に集光光学系を用いる時、常に起きる問題は集光点を何処に合わせるかと言うことにである。即ち、集光点を試料結晶位置にすると効率は上がるが、その代わり回折線が IP上でいくらか広がる、これに対し、集光点をIP上にすると回折点の広がりを最低に出来るが試料結晶に当たる段階ではX線は未だ十分集光されていないため効率が下がる。教科書に あるような光学系、即ち試料よりカメラ半径分上流に焦点を設定すると、装置全体が大きくなるので好ましくない、また蛋白質結晶のように回折角の小さい領域を対象とする場合にはその 必要は全くない。しかもこの場合でも結晶位置での効率はIP上に焦点を選んだ場合と変わらない。結晶に照射されるX線量は結晶の損傷と大きな相関があるため、効率よりIP上での広がりを 少なくした方が実用的と考え、焦点位置をIP上にしている。これは又光軸の変動に対しても有利である。そのようなわけで、低エミッタンスに対し輝度の増加があまり観測されなかった のかも知れない。ビームがシャープになった分、良質結晶では回折線の広がりが小さくなり、その分S/Nの上昇が見られている筈である。実測結果についての御意見を頂きたい。

2. BL6Bの利用状況

BL6Bをオープンして以来、スケジュール表がすぐ満たされ全く余裕が無かった。その為、結晶が出来ても急な対応が出来無かった。そこで今期は毎週Camera-maintenanceと 言う名目で(本来の趣旨とは異なるが)予備日を設け、1週間前迄に要求がなければキャンセルを行った。しかし表1から分かるように実際には各自が旨くコントロールし困った 事態は起こらなかった。特に4月に空きが多いがこれは学期初め学生の入れ替わりなどで、大学は忙しいため、毎年この時期だけは空きが出る。5月に入り連体明けになると事情は 一変し、大学のメンバーがどっと押し寄せた。しかも大学のメンバーは12時間利用が年2回に制限されているため、予約せず空き時間を探して利用し、自分の持ち時間は秋まで 温存する方法が可成り採られた。その分秋が混雑するかも知れないが、この方法は規則上許されている(現行規則の盲点?)。ビームラインアシスタント諸氏も空き時間を利用 した。そのようなわけで表1が空欄のまま残っている場所も実際には全て利用された。

表1.平成10年度前期BL6Bビームタイムスケジュール


USER NAME _a:administer _c:industry _d:non-industry -:free
A:50% area for long works, B:50% area for short works
    day: am:9:00-pm:9:00 night: pm:9:00-am:9:00(the next day)
4月7日 TUE A beam_maintenance (day) - (night)
4月8日 WED A Kirin_Brewery_c (day) Kirin_Brewery_c (night)
4月9日 THU A - (day) - (night)
4月10日 FRI A - (day) Sakabe_Noriyoshi_d (night)
4月11日 SAT A Camera_maintenance (day) - (night)
4月12日 SUN A Kirin_Brewery_c (day) Kirin_Brewery_c (night)
4月13日 MON A machine_study (day) machine_study (night)
4月14日 TUE B - (day) - (night)
4月15日 WED B Nippon_Roche_c (day) - (night)
4月16日 THU B Sankyo_Co._Ltd_c (day) Miki_Kunio_d (night)
4月17日 FRI B Kai_Yasushi_d (day) - (night)
4月18日 SAT B shionogi_Pharm._c (day) - (night)
4月19日 SUN B Mizuno_Hiroshi_d (day) - (night)
4月20日 MON B shionogi_Pharm._c (day) Nonaka_Takamasa_d (night)
4月21日 TUE B Yamanouchi_Pharm._c (day) BERI_c (night)
4月22日 WED B Ajinomoto_Co._Inc_c (day) BERI_c (night)
4月23日 THU B machine_study (day) machine_study (night)
4月24日 FRI A single_bunch (day) single_bunch (night)
4月25日 SAT A single_bunch (day) single_bunch (night)
4月26日 SUN A single_bunch (day) single_bunch (night)
4月27日 MON A single_bunch (day) single_bunch (night)
4月28日 TUE A NO_beam (day) NO_beam (night)
4月29日 WED A NO_beam (day) NO_beam (night)
4月30日 THU A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月1日 FRI A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月2日 SAT A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月3日 SUN A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月4日 MON A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月5日 TUE A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月6日 WED A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月7日 THU A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月8日 FRI A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月9日 SAT A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月10日 SUN A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月11日 MON A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月12日 TUE A NO_beam (day) NO_beam (night)
5月13日 WED A machine_study (day) machine_study (night)
5月14日 THU A machine_study (day) machine_study (night)
5月15日 FRI A machine_study (day) machine_study (night)
5月16日 SAT B - (day) - (night)
5月17日 SUN B Sasaki_Kyoyu_d (day) Sakabe_Noriyoshi_d (night)
5月18日 MON B - (day) - (night)
5月19日 TUE B Fujisawa_Pharm._c (day) - (night)
5月20日 WED B Nakagawa_Atsushi_d (day) Hirotsu_Ken_d (night)
5月21日 THU B - (day) Yamanouchi_Pharm._c (night)
5月22日 FRI B - (day) - (night)
5月23日 SAT B Konno_Michiko_d (day) Nureki_Osamu_d (night)
5月24日 SUN B - (day) - (night)
5月25日 MON B machine_study (day) machine_study (night)
5月26日 TUE A machine_study (day) - (night)
5月27日 WED A beam_maintenance (day) - (night)
5月28日 THU A - (day) - (night)
5月29日 FRI A setting_test (day) setting_test (night)
5月30日 SAT A Morimoto_Hideki_d (day) - (night)
5月31日 SUN A - (day) Lin_Sheng-Xiang_b (night)
6月1日 MON A machine_study (day) machine_study (night)
6月2日 TUE B Yamanouchi_Pharm._c (day) Sakabe_Kiwako_d (night)
6月3日 WED B - (day) Sakabe_Kiwako_d (night)
6月4日 THU B Nippon_Roche_c (day) Nonaka_Takamasa_d (night)
6月5日 FRI B Yamanouchi_Pharm._c (day) - (night)
6月6日 SAT B Yasuoka_Noritake_d (day) Morimoto_Yukio_d (night)
6月7日 SUN B - (day) - (night)
6月8日 MON B machine_study (day) machine_study (night)
6月9日 TUE A - (day) BERI_c (night)
6月10日 WED A - (day) BERI_c (night)
6月11日 THU A Ajinomoto_Co._Inc_c (day) Hirotsu_Ken_d (night)
6月12日 FRI A Camera_maintenance (day) Camera_maintenance (night)
6月13日 SAT A Fukuyama_Keiichi_d (day) Fukuyama_Keiichi_d (night)
6月14日 SUN A Hakoshima_Toshio_d (day) Hakoshima_Toshio_d (night)
6月15日 MON A machine_study (day) machine_study (night)
6月16日 TUE B Yamanouchi_Pharm._c (day) setting_test (night)
6月17日 WED B Kitadokoro_Kengo_d (day) setting_test (night)
6月18日 THU B Sankyo_Co._Ltd_c (day) Nippon_Roche_c (night)
6月19日 FRI B Camera_maintenance (day) Camera_maintenance (night)
6月20日 SAT B shionogi_Pharm._c (day) Nureki_Osamu_d (night)
6月21日 SUN B setting_test (day) setting_test (night)
6月22日 MON B machine_study (day) machine_study (night)
6月23日 TUE A machine_study (day) setting_test (night)
6月24日 WED A Fujisawa_Pharm._c (day) Mitsui_Yukio_d (night)
6月25日 THU A Ajinomoto_Co._Inc_c (day) Shwu-Huey_Liaw_b (night)
6月26日 FRI A Kirin_Brewery_c (day) Kirin_Brewery_c (night)
6月27日 SAT A Banyu_Pharm._c (day) Kuramitsu_Seiki_d (night)
6月28日 SUN A Tsukihara_Tomitake_d (day) Tsukihara_Tomitake_d (night)

2. ビームラインアシスタント

今期協力下さったビームラインアシスタントの方々の名簿を掲載し感謝の意を表します。

氏名 所属 期間
須藤 恭子 姫路工業大 ・安岡研 3月31日〜4月24日
小森 博文 京都  大学 ・三木研 5月15日〜5月31日
菅原 光明 大阪  大学 ・倉光研 5月31日〜6月30日
阪本 泰光 長岡技科大 ・三井研 6月 2日〜6月17日

U. TARA第2実験ステーションBL6Cの建設

1.BL6Cの概要

TARA用第2実験ステーションとしてBL6Cの建設が許可された。この建設には物構研の職員である渡辺信久氏、鈴木守氏、及び五十嵐教之氏等が主体となって、平成10年10月迄に完成させる予定である。その為建設許可直後の本年2月より発注を開始した。更地に建設するのと異なり、自分達蛋白結晶用のビームラインではあるが既にBL6A、 BL6Bがある中で、その空き空間を利用して各種の光学機器を設置できるように工夫する必要があったが、必要な光学素子の全てを配置できる設計が出来た。主立った機 器の配置を図1に示す。BL6AハッチとBL6Bハッチとの間に上流よりビームモニター、スリット、ミラー及び下流シャッター(DSS)が設置される。これらは全てBL6B で使用されているものと同一或いは同等なものが使用される。図1中のスケールは光源点からの距離を示す。即ち、集光条件を知る上に必要なミラーは21m地点、モノ クロメータは26.5m地点にある。

  BL6B建設の際、集光のみならず高調波カットに極めて重要なミラーの特性について紹介しなかったので、今回は少し詳しく紹介する。長さ1mのシリコン単結晶の片面 を鏡面研磨し150Åのクローム蒸着を行い、更に1000Åの白金蒸着したものをベンダーで弯曲させ縦方向にX線を集光させる仕組みになっている。ミラーからIP迄の距 離が約 7mであるから 3対l の非対称集光を行い理想的に行けば縦方向には光源の3分の1の像に縮尺可能であると同時に輝度も上げられることになる。参考のため仕 様を表2に掲げる。

白金コートはクリティカルアングルを大きくするためである。図2は横軸に入射X線の波長(0.1nmが1.0Å)、縦軸に反射率を取り、入射角がそれぞれ3,4,5,6 mrad についての理論値をグラフにしたものである。曲線の立ち上がりが急なほど高調波の切れがよい。例えばモノクロメーターとしてSi(111)を用いた場合、ミラーでカットし たい高調波は3倍波であるから、ミラーの入射角を4mradにすると波長0.1nmに対する反射能は約80%あるが、排除したい0.033nm(0.33Å)に対する反射能は数%しか ない。それに対し0.18nm(1.8Å)の3倍波である0.06nm対して、同一条件では未だ約20%の反射能を有する。幸いと言うべきか残念と言うべきか、BL6Bは偏光電磁石 からのSR光であるため、出射される0.06mnのX線成分は極めて小さく、それを更にミラーで20%にすると、事実上3倍波は邪魔にならないと思われる。尚、0.1nm付 近で階段状の急激な曲がりがあるがこれは白金の吸収(L1;0.089nm,L2;0.093nm,L3;0.107nm)によるものである。

2. ハッチの建設

BL6Cには本誌Vol.3,,No.2に記載した全自動データ収集システムを設置するため5.2m x 4.5mのハツチが必要であり、許容されるぎりぎりの設計がなされた。図1よ りBL6Bに比しBL6Cが如何に大きいかが理解できる。BL6Bの下流壁がBL6Cの上流壁になるよう完全に一体化する事により、辛うじて必要最小限の床面積が確保でき た。

BL6BとBL6Cの繋ぎ目に幅595mm、奥行き800mmの窪み(図l及び図3)があるが、これはコントロール用の計算機を設置する場所である。現時点ではBL5の場所が 空き地になっているので、BL6では比較的空間的に余裕のある実験を行っているが、既にBL5の建設計画の検討が始まっているため、近い将来状況は厳しくなることを 覚悟しなければならない。その結果この窪みを設けた訳である。又ハッチの天井(2階)の利用が重要度を増す。そこでBL6BとBL6Cの2階の床を使い易いよう同レベル(2.9m) にした。2階に上がる階段は既設のものを利用する。図3はBL6Cの組立図で、平面図に示されたA、B、C、Dは、Dが上流、Bが下流、Cが正面、Aが背面である。又 4つの立面図はそれぞれD、B、C、A方向から見たものである。天井には取外し式天井板が5枚あり(平面図)、これは搬入、搬出の際、重量物をクレーンで吊り上げる為 のものである。正面には観音開きの大扉(搬入扉1、2)があり、更に搬入扉1の中に通常出入口として小型の扉(出入口扉2)がある。この他下流及び背面にも扉がある。2階 は高さ1mのフェンスで安全を確保した。ハッチの内側は断熱材を張り摂氏15度迄下げられる工アコンを設置する。測定装置は全自動であるため、これまでより発熱量が大きい。従ってエアコンのパワーも大きくする必要がある。その際冷気の吹き出しが強すぎないように天井吊りクーラーを2台にした。図4はハッチ内に測定装置を設置 した状態を示す。図4ではハッチの全長が5200mmになっているが、これは初期の予想で、現在では図3のようにBL6Bと壁を共通にすることにより5500mmにする事 が出来、更にそれに伴い、幅も15mm大きくなっている。

ハッチの建設は今期のビームタイム終了直後即ち7月1日に先ず既存ハッチの解体が開始され下旬には新しいハッチが完成した(写真1)。ビームラインについては既にミ ラー、ベンダーが設置された(写真2)。これから急ピッチで建設を行い10月には日本学術振興会未来開拓推進事業の産学連携等研究費にて開発中の全自動データ収集シス テムを設置し(本号学振未来開発欄61頁参照)、10月のビームタイムより立ち上げを行う予定である。

V. コンピュータ関係

1.ネットワークの利用状況

 今期についてはネットワークの構成、コンピュータ機器の変更はなく、サーバも停止することなく順調に稼働している。サーバ上にデータを保持する期間は、7日間に固定され ていたが、6月26日になって使用率が95%に達したため保持期間を一時的に6日に変更した。しかしビームタイム終了後は、元に戻し保存期間は7日に固定し、DLTによるデータのバックアップを止めた。

 ビームタイム期間中の毎日の測定データ量の推移を図5に示しているが、この図からもデータ測定システム、ネットワーク、サーバが順調に稼働していることがうかがえる。

図.5 平成10年前期AlphaServerに送られたデータ量


user time setting test single bunch machine study beam maintenance camera maintenance 4/28-5/12: NO beam

2. TARAネットワークからインターネットへの接続困難と対処

ビームタイムの後半になって、TARA内からネットワークを通じて外に接続できない状態が発生した。これに対処するためKEK側のIPアドレスがこれまで10個だった のでこれを30個に増した。しかしfirewallのPlXの回線が32本しかなく、Web接続は4本、fptは2本、telnetは1本を占有するため、Webを見ながら仕事をする人 が多いと、8人しか繋がらないことになる。Proxyサーバを入れたらとの提案もあったが回線数を減らすことにはならないことが判明した。PlXを32から64にすると 100万円近い費用が掛かるので、必要ない時は接続を切って頂くよう協力をお願いする。

3. lsコマンド障碍

6月にlsコマンドが利かないと言う苦情があった。これに対し、DEC、SGIのpatchに対応しそうなものがありこれをあてた。

今後ともコンピュータ関係で気付いたことがあったら早急に佐々木教祐氏に連絡して頂きたい。

4.佐々木教祐氏の所属変更に伴う電話等の変更

佐々木教祐 Kyoyu Sasaki
〒464-8601 名古屋市千種区不老町名古屋大学情報文化学部
Tel:052-789-4205,Fax:052-789-4206
E-mail sasaki@info.human.nagoya-u.ac.jp

5. ワークステーションの増強

現在BL6A、BL18BではDEC3000 model 600を使用している。しかし、このワークステーションはOSがOSF1 V2.1と古く、TARAに導入された150GBのファイル サーバ一をnfsマウントすることが不可能であった。大型IP読み取り機のデータは直接このファイルサーバーに書き込まれるため、このワークステーションでこれらの イメージの処理を行おうとすると、ファイルサーバーからローカルのハードデイスクにftpで転送して来ないと出来ないという不都合が生じていた。これを回避するため に、このDEC3000-600のOSをアップグレードすることを検討したが、このためには要する費用がかなり大きく、またルートパーティション用のハードディスクの更新 も必要となることが分かったため、このOSのアップグレードは諦めて、代りにDEC Personal Workstation 500auを導入することにした。これにより、実験ステーショ ンで、TARAのファイルサーバー上のデータを直接処理することが出来るようになる。また、計算速度も6倍ほど速くなる。

W. その他の増強

1.動的光散乱測定装置(Dynapro)の感度増強

Dynaproは用意した蛋白質溶液が結晶化に適しているか否かを判断するのに有効な装置で2年前に購入し(本誌Vol.2,No.2,65頁)利用されている。此の装置については 理学電機梶EX線研究所の山野昭人氏が本誌(Vol.3,No.2,69-76頁)の基礎セミナーに紹介している。これまで試料溶液が150μ1必要であったが、Dynaproの世話をし てくれている萬有製薬鰍フ三浦圭子さん他数人の班員の勧めで試料溶液15μ1で測定できるオプション(MS)を取り付けた(本号82頁参照)。新製品であり、未だ持ってい るところは少ないので、有効に利用できると判断した。使用されたい方は三浦圭子さんに運絡して下さい。

2. ロッカー

出資企業はTARAハウス内に研究室を持っている(本誌Vol.3,No.3,29頁)がその他のグループは研究上必要なものを保管する場所がなかった。今回それを解消すべくロッカーを用意し、出資企業を除く蛋白ビームライン(BL6A,6B,18B)の全ユーザーグループの責任者に割り当てたので、利用を希望される方は秘書の早瀬由記に御相談下さい。

3.駐輪場

TARAハウス脇に11台収納可能な自転車置場を作った。

X. 各種委員会報告

1. 行事委員会

4月17日13時よりTARAハウスにおいて拡大行事委員会が開催された。
拡大行事委員会出席者は、行事委員長・畠忠、プロジェクト代表・祥雲弘文、運営委員長・坂部知平、編集委員長・栗原宏之、坂部貴和子、田仲可昌、馬場忠、水野洋、三 浦圭子の9名であった。

行事委員長より、坂部プロジェクトを構成している生化学者と生体高分子結晶学者の接点の一つと考えられる「蛋白質の発現から結晶化まで」をテーマとするセミナーの開催についての提案があり議論の結果下記の案が決定され、更に、講演者、会場などの交渉に当たる役割分担が決定された。

日 時  7月7日(火) 13:00−17:00
場 所  筑波大学バイオシステム研究科教育棟B501室
テーマ  蛋白の発現から結晶化まで
主 催  筑波大学TARA坂部プロジェクト行事委員会

プログラム
13:00〜13:15 挨拶
TARA坂部プロジェクト代表筑波大学・祥雲弘文
TARA坂部プロジェクト運営委員長・坂部知平

13:15〜17:00 講演
馬場 忠 ( 筑 波 大): 組替え型タンパク質生産方法の現状と間題点
三浦圭子(萬有製薬): 動的光散乱測定による結晶化用蛋白質の検討
杉尾成俊(三菱化学): 結晶化の方法と結晶化の実際
吉川信也 (姫 工 大): 膜蛋白の結晶化チトクローム酸化酵素の例

総合討論: 参加者全員

17:30〜19:00 懇親会

尚、此のセミナーは予定通り開催され、参加者は記帳されただけでも、これまでの最高の72名に上った。セミナーについての報告は次号に掲載される予定である。

2. 編集委員会

第9回編集委員会が平成10年6月19日(金)18時よりTARAハウスにて開催された。構造生物Vol.4,No.2の原稿の最終チェックならびに印刷等のスケジュールの確認が行われた。続いて次号の内容について検討が行われ、執筆依頼者及び各委員の役割分担が決定された。

VI. 業績紹介

TARAプロジェクトとして行った研究であることが明確である論文のみを掲載する。
尚、本プロジェクトのメンバー名と所属を各論文の文頭に掲げた。

1.馬場 忠(筑波大)

Two Novel Testicular Serine Proteases, TESP1 and TESP2, Are Present in the Mouse Sperm Acrosome
BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONS 245,658-665(1998)

2.馬場 忠(筑波大)

Acrosin Accelerates the Dispersal of Sperm Acrosomal Proteins during Acrosome Reaction

J.B.C. 273, 17, 10470-10474 (1998)


ご意見、ご要望などは下記のアドレスにメールを下さい。
sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp