構造生物 Vol.4 No.2
1998年8月発行

自己紹介


伊藤 和輝

日本学術振興会研究員

氏名:伊藤 和輝(いとう かずき)
所属:筑波大学応用生物化学系
日本学術振興会研究員
電話:0298-77-0018
電子メール:Kazuki.Ito@kek.jp

初めまして。筑波大・応生の伊藤と申します。今年の春に総合研究大学院大学の放射光科学専攻を修了しました。在学時は雨宮先生(現東大・工)の御指導の元で、ベリリウム窓を有する低エネルギー用X線イメージインテンシファイヤーとCCDを組み合わせたCCD 型X線検出器の開発を行いました。主にはCCD型X線検出器の定量的な性能評価、およ び画像歪み、感度不均一性の補正法の研究を行いました。これからは坂部先生の未来開拓プ ロジェクトの博士研究員として、アレイ型多素子CCDX線検出器の開発に携わっていく予 定です。

学部生の時には、室蘭工大電子工学科で城谷先生の元で金属錯体の吸・蛍光スペクトルの 測定装置の立ち上げを行いました。この研究室は高圧下の構造物性について研究と、放射光 を用いた構造研究も行っていました。これが私の放射光との最初の接点でした。修士課程は 同大学情報工学専攻に進み、熊谷先生の元でニューラルネットワークを用いたパターン認識 の研究を行いました。この研究も大変面白かったのですが、毎日コンピユータの前に座って いることよりも、実際に手を動かしたい、という欲求がだんだんと高まり、夏期実習などを 通じて興味を持っていた高エネ研(現物質構造科学研究所)の総研大のほうに進学しました。 もともと計測には興味を持っていたのですが、博士課程進学時に、学部時の指導教官である 城谷先生に相談したところ、PFニユースの編集委員会で御一緒だった雨宮先生を紹介され、 直接お会いしてCCD型X線検出器の開発の話を聞ぎ、「これはおもしろい」と思い、総研 大に入学した経緯があります。なかなか学部、修士、博士と所属をかえることには抵抗があ るとは思いますが、「X線を検出する」というテーマーつ取っても、一つの分野に収まらず、 さまざまな分野の知識が必要になります。現在の私の研究にはこれまでのユニークな経歴が 非常に役立っています。

私の研究は主に、
・アレイ型多素子CCDX線検出器の開発
・X線検出器の性能評価に関する研究
・画像歪みおよび感度不均一性の補正法に関する研究
・CCD型X線検出器を用いた時分割X線回折法による構造物性研究
です。縦軸は検出器開発、横軸はそれを利用した物性研究というような研究が行えればいい な、と考えております。

話を構造生物に戻しますね。アレイ型多素子CCDX線検出器の開発により、測定時間の 大幅な短縮が見込まれます。これは限られたビームタイムを有効利用する上で非常に効果が あると思います。まだいくつか解決しなければならない間題はありますが、近い将来、この 検出器を見かけることがあると思います。そのときには率直な意見をお聞かせ願えれば幸いです。

TARAコンテナの2Fに部屋がありますので、お気軽に遊びに来て下さい。


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sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp