構造生物 Vol.4 No.3
1998年12月発行

第3回坂部プロジェクトジョイントセミナー   −蛋白の発現から結晶化まで−


行事委員会


筑波大学TARA坂部プロジェクト行事委員会は実践的なテーマを取り上げて、講習会等を開催してきました。今回はこのプロジェクトが生化学者と生体高分子結晶学者で構成されている点を踏まえて、生化学者と生体高分子結晶学者のジョイントセミナー「蛋白の発現から結晶化まで」を計画しました。二次元回折計の出現とコンピュータの進歩に伴うプログラムの発達により、生体高分子の]線構造解析は低分子並にルーチン化されようとしています。そのような時代では、結晶学者といえども自分達で蛋白の発現を行い、サンプルを確保する必要性が出て来ました。そこで、組換え型タンパク質に関する講演を生化学者にお願いしました。また、生化学者が自分達でサンプルを結晶化し構造解析する場合第一歩として、結晶化用の蛋白精製の考え方と結晶化の方法についての講演を企画しました。特に、動的光散乱測定による結晶化用蛋白質の純度の検討は、生化学者と結晶学者を繋ぐ重要な役割が期待されます。このような趣旨ですから、各講演者には初心者でもわかるような基礎的な話から、実際のポイントについて講演していただきました。

生化学者と生体高分子結晶学者のジョイントセミナーと謳ったせいか、従来にはない生化学者の参加もあり、72名とこれまでの行事で最大の参加者でした。尚、当日のプログラムは以下に示します。講演者には「構造生物」用に当日の講演内容をまとめていただきました。

TARA坂部プロジェクト ジョイントセミナー

日時      7月7日(火) 13:00〜17:00
場所      筑波大学バイオシステム研究科教育棟BS501室
       (筑波大学中央バス停より徒歩3分)
テーマ     蚤白の発現から結晶化まで

プログラム

13:00〜13:15 挨拶(予定)
  TARA坂部プロジェクト代表     筑波大・祥雲弘文
  TARA坂部プロジェクト運営委員長  坂部知平

13:15〜17:00 講演
  馬場 忠(筑波大) :組換え型タンパク質生産方法の現状と問題点
  三浦圭子(萬有製薬):動的光散乱測定による結晶化用蛋白質の検討
  杉尾成俊(三菱化学):結晶化の方法と結晶化の実際
   吉川信也(姫工大) :膜蚤白の結晶化−シトクロム酸化酵素の例
   総合討論      :参加者全員

17:30〜19:00 懇親会


Special Issue:Expression and Crystallization of Proteins
       −Fundamental Technique and Examples −


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sasaki@tara.met.nagoya-u.ac.jp